フランスとスイスの原子力発電の現状

今なお建設中のFlamanvilleの欧州加圧水型原子炉の欠陥は、2006年からはっきりと知られていたものです。今、スイス政府はベルギーで見つかった同様の亀裂に注目しています。その理由は、スイスがベルギーと同じ方法を用いることを現在研究しているところだからです。

左:フェッセンハイム原子力発電所、右:キャッテノム原子力発電所、写真:Greenpeace

左:フェッセンハイム原子力発電所、右:キャッテノム原子力発電所、写真:Greenpeace

リーク記事をよく書くフランスの週刊誌、Le Canard Enchaînéによれば、(フランス最初の欧州加圧水型原子炉を建設した)Areva社は、圧力容器の品質に問題があることを少なくとも2006年には知っていたはずだと報じました。Areva社は、この問題は2008年に発覚したが、「当時重要な優先課題とは認識されなかった」と述べています。現在、設備の交換にかかるコストは、10年前に33億ユーロとされた見積から85億ユーロにまで膨れ上がり、このプロジェクト全体が破綻しかねないほど大きくなっています。

スイスでは7月、Beznau1号機の原子炉の定期点検で、ベルギーで見つかったものと同様の問題が明らかになりました。ベルギーの原子炉では問題が発覚して以降、電力供給はストップしています。スイス国内では現在Beznau1号機を今秋再稼働するか否かについて議論が行われています。Beznau1号機は稼働している原子炉としては世界最古のものです。スイスのメディア (ドイツ語)によれば、今年で46年目になるこの原子炉は「無期限の稼働許可」を取得しています。この記事では、停止期間中の損失と設備投資にかかるコストを合わせると、原子炉は採算が取れなくなる可能性が高く、その場合には即時の完全停止も考えられるとしています。しかし、スイス政府が原子力発電所の不採算性を公式に認めた上で原子炉の停止を命令したとしても、原子力発電所の運営企業は公的補償を求められなくなってしまうため、企業としては多少の損失があったとしても原子炉を停止することはないだろうとスイスのエネルギー専門家は考えています。

稼働43年になるBeznau2号機も、同様の点検を受けることとなっています。この原子炉は今までにこういった点検が実施されていないために、原子力懐疑派は、両原子炉が稼働開始時点から圧力容器に亀裂が入ったまま運営されていた可能性があると批判しています。しかし、2号器は1号機とは異なる部材を用いて建設されています。

2019年の稼働停止が予定されているMühlebergの原子炉とBezanauの2基の原子炉が停止すると、スイス国内で稼働している原子炉は2基になります:Gösgen (1979年稼働開始) と Leibstadt(1994稼働開始)。

欧州全体でも、近年の熱波により、火力発電所は限界を迎えています。特にフランスでは、原子炉冷却水に用いる水源の水温が上限の摂氏30度に達することがあり、原子力発電所の出力制限がおこなわれています。ドイツでは、この上限は25度となっていますが、火力発電所の出力制限は再生可能エネルギーの成長により、以前からおこなわれてきました。詳細はいずれ新しい記事でお伝えします。

クレイグ・モリス@PPchef

元記事:Renewables International “State of French and Swiss nuclear”(2015年7月30日)ISEPによる翻訳