ドイツはより少ない発電設備容量でやっていけるのか?

9月のデータによると、冬の電力需要ピーク時に危機的状況が現れる可能性があるものの、ドイツは相当程度少ない発電設備でやっていけることが示唆されている。

昨日の記事にも書いたように、電力の卸売市場は利益の点で面白くない状況になっている。購入者が卸売のスポットでより低価格で買えるようになれば、電力販売契約(PPA, Power Purchase Agreement)に圧力がかかることになります。発電事業者は電力の大口販売ではなく、アンシラリーサービスから利益を得ることに注力するようになります。

現時点ではドイツには約100GWの従来型発電設備(石炭・ガス火力および原子力発電)があるのですが、稼働率が低いため、発電所の運営者は稼働率を上げるために、低価格で電力を提供するようになってきています。9月の従来型発電は約30〜55GWの範囲にありました。

2014年9月のドイツの発電量

Fraunhofer ISE / energy-charts.de

出典:Fraunhofer ISE / energy-charts.de

9月はとりわけ風力の発電量が極めて低くなっていました。この表を見ると、Energiewende(エネルギー転換)の熱心な批判者でなくても、どのようにしてドイツが2050年までに80パーセントの再生可能エネルギーを目指すのか、疑問に思うかもしれません。

ドイツは明らかにまだまだ多くの従来型発電設備をアイドリングさせています。もちろん地域的な課題もあり、原子力発電所の停止にともなって、北と南で市場を分ける必要があるかもしれないという話は先週の大きなニュースでした。さらに、風力発電所は北部にあり、太陽光発電所は南部にあります。しかし、南北分割の話はいまにはじまったことではなく、専門家によって何カ月間も議論されてきました。

このニュースはバイエルン州知事のHorst Seehoferが電力系統の拡張計画に対して反対したこと(ドイツ語記事)から、北部からの電力が南部の産業に届かなくなる懸念へとつながり、先週のトップニュースとして取り上げられました。しかし、バイエルン州が停滞を引き起こしている一方で、隣接するバーデン=ヴュルテンベルク州は電力不足を心配しています。9月中旬に州の環境大臣は「早ければ2018年、遅くても2021年までに南部だけではなくドイツ全土で電力不足が起こる可能性がある」との研究結果(ドイツ語)を発表しました。

下の2つめの表では、上方の発電量にそって推移する取引価格(中央の曲線)と、基底線のあたりに輸出入の状況が表示されています。

2014年9月の発電量とスポット価格

Fraunhofer ISE / energy-charts.de

出典:Fraunhofer ISE / energy-charts.de

しかし、もしドイツが発電設備を減らすとすると、余剰発電設備を減らすことになり、そうすると電力の価格が上がり、同時に電力需要も減ります。ドイツが停止することのできる発電設備の容量に限界があることは明らかで、具体的には国内のピーク需要に安全のための予備分(例えば10パーセント)を追加したところまでになるでしょう。

以上を踏まえて、明日は今後の発電設備の不足に関する懸案事項に話を戻したいと思います。

クレイグ・モリス@PPchef

元記事:Renewables International, Can Germany make do with less power generation capacity?(2014年10月6日掲載)著者許諾のもとISEPによる翻訳